プロジェクト紹介の記事窓から見える椰子と海の景色が見える窓のだまし絵の、その制作工程です。
事前準備
絵の仕事には事前準備の期間にやることが多くあります。まず何と言っても絵の内容についての打ち合わせです。可能な限り現地の状況を見たりクライアントとたっぷりお話をしてイメージ以前の意味や目的を明確にします。このとき仕事に対するモチベーションも決まったりします。
その後は資料を集めて目を通します。目を通した後は体に染みついてくるまで長期に渡って放置します。いえ、ただ放置なだけではありませんけれども、ここの作業は脳内作業や落書き作業で、実は重要だったりします。
デザイン、原画
ラフのデザインを行います。アイデアスケッチです。だいたいの方向性を決めていきます。描き方はラフでも色計画を練っていたりします。
もうひとつ、より手間暇を掛けているのが、資料写真を用いた構成の計画です。デザインをより明確に決定していく作業ですが、何をどのようにやったかは企業秘密です。じつは手間を掛けすぎていますので公にできません。この作業だけで実は印刷に耐えうるデザイン仕事を何作も完了できるレベルです。
そんなこんなで、全体の構図を決め、オブジェクトのエスキースを作ります。まとまってきたら、荒いタッチながら原画のドローイングを描いたりします。この状態で原画とします。
材料テスト・試作
前回もお伝えしたように、EM珪藻土 のサンプルをいただけたことで、各種テストを行うことができました。
今回の絵は割と濃厚なタッチですが、暖かみのあるこの素材には、濃度の薄い水彩画のタッチや、欧州のだまし絵のようなタッチもよく似合います。漆喰のような肌なので、フレスコ画のような仕上がりになり、これは面白いなと思いました。
株式会社 OKUTA様にもご興味を持っていただいたようです。専用のページまで作っていただいて恐縮です。
良質のリフォームや付加価値のある仕上げをお求めの方はぜひどうぞ。
原寸の下書き
デザインが大まかに決まれば、いよいよ現場の準備です。原寸の下絵を用意します。
今回は、窓枠の図面を原寸出力し、大きなロール紙のトレーシングペーパーにトレースします。そして直接下絵をスケッチしました。細部の詳細さを求められるような原画の場合はすべて原寸出力しますが、自然や植物などはカッチリしすぎていると邪魔になりますから直接スケッチします。
次ページからは現場制作の工程です。